近年のクルマは、驚くほどにコンピューターで管理されていて、少しエンジンの調子を崩しただけで診断機が無ければどうにもならない事が増えています。
調子が悪くなくても、診断機でちょっとECUをのぞいてみると、意外なほどにエラーが入力されていることがあります。
今回は、少し時間ができましたので、診断機で出来ることをちょっとだけご紹介します。
車検でお預かりしたE46(320i)、すごくイイ感じで、丁寧に乗られています。
ブレーキパットの残量が少ない他は、目立った不具合も無く、定期的な油脂類の交換をして整備はほぼ完了です。
E46も年数が経ってオイル漏れや水漏れが見られるクルマが増えていますが、このおクルマ、とても状態が良いです。
このVANOSホースのカシメ部分が弱ってきて、チャチャッと交換してしまえばまたきれいなエンジンルームになるクルマ、多いですよ。
パワステフルードがリザーブタンクからにじみ出していますが、注入量が多いだけですのでご心配なく。
ゲージにドンピシャで入れても、ステアリングを回すとオイルが沸いてにじみ出してしまいます。
ゲージにドンピシャで入れても、ステアリングを回すとオイルが沸いてにじみ出してしまいます。
まぁ、こういう話はおいといて、本題の診断機の話です。
ステラモータースでは、平成14年頃からBOSCHのKTSという診断機を使用しています。
それ以前は、別の診断機を使用していましたが、どうも使い勝手がイマイチで、いろいろと探してこの診断機にたどり着きました。
当時は、日本国内で15社ほどしか所有していなかったレアだったヤツです。
クルマによって診断ソケットの位置は異なります。
E46は運転席の足下にあります。
診断機のプログラムは、PCにインストールしてあり、PCの画面でメーカーや車種を選択するようになっています。
KTSの優れているところは、世界中のメーカーを網羅していて、プリウスなんかもOKです。
診断したい項目を選択して、診断開始です。
車両のコンピューターに入力されたエラーの履歴が出てきます。
今回は、ABSで4個のエラーがあったので、ABSを見てみます。
エラーコードとその内容がわかる様になっています。
ただし、すべてのエラーが即故障とは判断せず、その部分が機能しているかどうかを判断する必要があります。
ここら辺は、どれだけ診断機を使い込んでるかで差が出てしまいます。
よく「診断機を導入したけれど、エラーメッセージの通りに修理をしたけど治らない」との話を聞きます。
"エラーメッセージはトラブルのヒント"と理解する必要があります。
ホイールスピードセンサーのエラーがありましたので、実際に機能しているかどうかをテストします。
上の画像は、モニター開始時です。
モニターし始めたら、リフトで車両を浮かせて、四輪のタイヤを回転させます。
瞬間的に波形が記録されている様子がわかると思います。
順番にタイヤを回しました。
ズレがありますが、一人で順番にタイヤを回しましたので、時間に差があります。
この状態から見
ると、異常はありません。
ると、異常はありません。
おそらく、前回の車検時に、ブレーキテストをしてエラーが入力されたものと推測できます。
次に、プレッシャーセンサーのエラーが有りましたので、そこら辺も見てみましょう。
プレッシャーセンサーは、トラブルを起こすことがたまに見られます。
ブレーキのマスターシリンダーやABSユニットに取り付けられています。
ブレーキペダルを踏んで、油圧が正常にかかっているかどうかを検知します。
この状態からみると、ブレーキを踏んだときに波形が大きく変動しますので、現状で問題は無さそうです。
しばらくは様子を見て、頻繁にエラーが入力されるようでしたら、センサーの交換作業に取りかかるという段取りで良いでしょう。
なんてブログを書いているときに、E46のウィンドウレギュレーター修理も同時進行です。