BMW X6のエンジン
O様のBMW X6がご入庫です。
お伺いした内容は、冷却水が減ることと、謎のオイル漏れ。
謎のオイル漏れはこちら。
左フロントのフェンダーライナーには、ネバネバ系のオイルが大量に付着。
右フロントのフェンダーライナーは、サラサラ系の液体が付着。
車体のレイアウトを考えると、左はパワステフルードで右はウォッシャー液と考えたのですが・・・
油脂漏れの発生源を探しますが、濡れた跡があるだけで、直接何かが漏れている場所がありません。
何かを踏んだまま走ったのでは無いかと。
冷却水漏れは、ターボの冷却ホースを中心に、様々な場所から吹き出しています。
X6に搭載しているN63エンジンの冷却水漏れはかなりやっかい。
N62エンジンもやっかいですが・・・
様々な場所にアクセスしますので、最初にミッションを下ろしてしまいます。
エンジンの後側から、相応のオイル漏れがあります。
スターターモーターにオイルが注がれています。
寿命が短くなりますね。
エンジンを車体から下ろして点検しながら修理。
エンジンを作るよりも、悪いところを探しながら修理する方が手間がかかります。
「なんでこんなに費用がかかるの」と言われますが、細かく部品を洗い出して調達の期間を考えると、1ヶ月くらいはすぐに経過してしまいます。
当然、一台に掛かりきりですね。
ターボから排ガスが吹き出しています。
ターボハウジングの破損を疑いましたが、若干の修正でどうにかなりました。
いろんな所で冷却水が漏れています。
そして、いろんな所でオイルが漏れています。
さらに冷却水漏れ。。。
エンジンの下からもオイル漏れ。。。
吸気バルブにはカーボンが溜まっています。
カーボンを一気筒ずつ除去。
八気筒あります。
やってるうちにエンジンはこういう状態。
もうバラバラ。。。
エンジン内部がカーボンが何層にも重なって溜まっています。
ピストンにも大量のカーボン。
手でクランクを回すと、カーボンがボロボロと崩れて剥がれ落ちます。
古い煉瓦が崩れるような感じ。
確実にエンジンブローしますね。
特殊洗浄液で、エンジンを傷めずにカーボンを除去。
カーボンを落としたら、あとは順番にエンジンを組み付け。
使用部品は80点近く・・・
内容は割愛させていただきます。
組み付け完了後、エンジンを車体に乗せて、Injector Flushとかビルフラをやって完了。
エンジン完調を確認し、納車となりました。
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