KW DDC
F様のBMW550i TR(F11)は、足回りのリフレッシュでご入庫でした。
チョイスしたのは、KWのDDCです。
車高調機能の他、減衰力調整機能があり、Iphoneのアプリで走行中も減衰力調整が可能です。
組み付けは、配線と追加ECUがあるので、それなりに時間がかかります。
きっちりと取り付けたいですし。
取り付け前の足回りの状態を、BOSCH製のフットワーク診断マシン”SDL”で記録します。
診断中の様子。
こちらの写真はブレーキテストです。
前輪から順番に、アライメント調整の必要性とサスペンションテスト、ブレーキのテストと続きます。
診断中の様子。
サスペンションテストです。
作業中は、モニターに診断状態が映り、作業の指示が出ます。
診断結果は、数値上ではブレーキの数値が悪かったです。
前後ブレーキで、若干のジャダーが出ています。
ただし、普通に運転している分には感じないレベルです。
しかし、このグラフを見るのは、ある程度の熟練が必要です。
全てがブレーキに原因がある訳ではありません。
ちなみに、測定時はスタッドレスタイヤを装着しています。
結果の理由は後ほど。
ハブベアリングは摩耗している様子はありません。
ブレーキの効きに関しましても、正常です。
サスペンションテストの結果です。
フロントとリア、両方とも、大きな劣化はありませんが、リアのショックアブソーバーはある速度域で機能が落ちています。
足回り交換後のグラフを後ほど出しますが、違いがわかります。
上から2番目のグラフ左右とも、てるてる坊主みたいな形になっているのを覚えておいてください。
下段右側のグラフは、リア足回りの状態です。
緑の線が左側、赤の線が右側。
左右でグラフの曲線に違いが出ていることがわかります。
減衰のバランスで、左右差が出ていると言うことです。
取り付けるKW DDCです。
大変申し訳ありません。
他の写真を紛失して、背景が悪い写真しかありませんでした。
フロント取り付けの写真。
リア取り付けの写真。
足回り作業そのものは、特別に大変なものでは無いのですが、四輪の足回りから制御用の配線を取り回し、室内まで引き回すのに時間がかかります。
配線の取り回しで、注意したい部分は配線のねじれ。
たまに他店でDDCを取り付けた車両を拝見しますが、だいたいがねじれて断線しかけています。
断線すると、当然減衰力の操作はできなくなり、また、エラーが入力して車両の出力制限が起きたりすることも考えられます。
一通りの作業が完了。
車高は、全体のバランスを見ながらプリロードをゼロに近いところでそろえ、コーナーウェイトバランスもベストなところで調整です。
もともとはスタッドレスタイヤ&ホイールを装着していましたが、今年は雪が降らなそうなので夏タイヤに入れ替え。
そしてアライメント調整。
数値をドンピシャで合わせても良いのですが、走行テストを実施して、バランスが良いところで落ち着かせます。
仕上がったら、SDLで足回りの状態を診断。
これは数字ばっかりなので、理解しにくいと思います。
納車時には、数字とグラフの具体的なご説明をいたします。
ブレーキテストの結果。
ジャダーがほとんど消えています。
スタッドレスタイヤが、ブレーキテストに悪影響を及ぼしています。
どういうことかというと、フットワーク診断を実施するときは、まずタイヤの状態が正常であることが条件です。
結局のところは、クルマが路面と接しているのはタイヤだけで、足回りの構成部品はタイヤとボディをつなぐ補助ということになります。
てるてる坊主のようだった中段のグラフは、どの速度域でも均等にショックアブソーバーが機能している状態に改善しました。
また、下段右側のグラフの左右差があったものも、ほぼ均等になりました。
取り付けてすぐの状態で診断していますので、1000kmくらい乗ると、もう少しなじんでくるでしょう。
DDC、いいですよ。
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