BMW MINI エンジン始動ができないときがある。エンジンオイルを毎月入れている。
T様のBMW MINIは、エンジン始動性に問題があり、冷間時にエンジンが始動しにくいそうです。
何度かキーボタンを押して、やっとエンジンがかかる状態です。
また、エンジンオイルの減りが早く、毎月のようにオイルを補充しているとも言っていました。
いろいろな角度から診断していく必要がありそうです。
エンジンの始動性につきましては、診断結果は油圧が極端に低く、制御が入って始動できないようです。
油圧が低い原因を探っていくと、オイル量に問題があり、エンジンオイルが1Lくらいしか入っていません。
正常なオイル量は、4.5Lです。
確認のため、規定のオイル量にすると、エンジン始動性は回復しました。
始動しにくいというのは解決です。
では、なんでオイル量が1Lまで減ってしまうのか。
そして、なんで毎月のようにオイルを補充する必要があるのか。
ここらへんが問題ですね。
オイルが減る原因は、
・エンジンオイル漏れ
・エンジンがオイルを燃焼している
のどちらかで、誰かが飲んでいるというのは無いです。
点検をすると、エンジンオイル漏れはありません。
なので、オイルを燃焼しているが原因です。
「燃焼している」にも、いろいろとあります。
よく言われるのはオイル上がりとオイル下がり。
その他は、ブローバイガス過多で燃焼。
やりやすいところから再診断となります。
吸気マニホールドを外すところが簡単なところ。
見たとおりで、エンジンオイルが残っています。
どのクルマも、ある程度はブローバイミストが残りますけど。
ちょっと多いですね。
各部品を取り外したのと同時に、スモークテストをします。
よけいな空気を吸ったり、エア漏れしてないかなんて言うのを調べます。
こういう煙を、密閉した各部に入れていきます。
穴が開いていたり、亀裂があると、そこから煙が出てきます。
スモークテストで、異常はありません。
次のテストが、BOSCHのFSAを使用したテスト。
こちらの数値で、オイル下がりが原因と確定しました。
最初からこれをやっていれば早いのですが、考えられる原因は潰しておく必要があります。
オイル下がりの修理は、オイル上がりよりは少しは楽ですが、やや時間がかかります。
オイル下がりの方が、ユーザー様的にもフトコロに優しいです。
写真のように、エンジンヘッドを分解していきます。
このスプリングの分解が難儀します。
スプリングとカムシャフトを取り外したぞの写真。
取り外した部品は、わかりやすく並べているぞの写真。
オイル下がりの原因の部品は、奥の方にあって、バルブステムシールといいます。
こういう部品です。
左が旧品で右が新品
旧品は穴の大きさが広がって、スカスカのゆるゆるになってます。
新しいバルブステムシールを入れたところ。
1個じゃないですよ。
このクルマは24個使ってます。
こんな工具を使って組み付けるわけです。
組み付けには、このような工具も使います。
こんな工具も使います。
工具が無いとできない作業というわけです。
組み付けが終わって、試運転後に完成テスト。
数値がOKになってます。
今回は通常の半額くらいで直りました。。。
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