BMW F01 エンジン始動不能
T様のBMW750iが、エンジン始動不能となりレッカー搬入でした。
「エンジンを停止すると、もう二度とエンジンはかからないよ」というメッセージが出て、本当にエンジンが始動できなくなったとのことです。
スターターモーターが原因でした。
新しいモーターを用意して組み付け。
エンジン始動OK。
完了と思ったら、エンジン警告が点灯し、調子も悪い状態。
診断機で見ると、いろいろとエラーが入力されています。
T様に状態をお伝えすると、修理をしたいとのことでした。
簡単には済まない内容ですので、部品を細かく洗い出してお見積もり。
笑うしかない金額ですね。
それでも、コンディションをベストな状態にして乗りたいとのことでしたので、部品を調達して修理開始。
最初にボンネットフードをとってしまいます。
エンジンオイルやATFをはじめ、水と油を全て抜きます。
トランスミッションを取り外し。。。
エンジンを取り外す。。。
エンジンルームは、ほぼ空っぽ。
エンジン本体を分解しながら各部を点検。
ターボ関連のホースやチューブは、熱害でポロボロ。当然修理をし、その他のオイル漏れや水漏れも、この際ですので手を入れます。
分解点検が続きます。
ヘッド周りの状態は、良くは無いです。
ここまで汚れると、BILSTEIN R-2000 スラッジクリーン(ビルフラ)では汚れを落としきれないので、手洗いで汚れを落としていきます。
ヘッドを取り外してさらに分解点検。
ピストンはほど良くカーボンが溜まっています。
こちらもRECSなどでは取りきれない状態ですので、手洗い。
不具合の原因、その1に近づいて参りました。
その1はこれ。
チェーンガイドが破損し、チェーンを叩いていました。
上が新品。
中断は少しましな片バンクのチェーンガイド。
下が破損したチェーンガイド。
不具合のその2は、タイミングチェーンが伸びていました。
このくらい伸びると、エンジンのバルブタイミングが狂って、不具合が出ます。
なぜ伸びるかというと、構造上の問題とメカニズムの問題。
そしてメンテナンス不良。
エンジンオイル交換を、2万キロとか車検ごとなんていうクルマは、だいたいこうなります。
クルマが新しいうちは、不調を感じにくいので適当なメンテナンスになりがちですが、時間が経つとこういう結果が待っています。
乗り方が丁寧とか、荒い乗り方とかは関係ないと思います。
原因その3がこれ。
吸気バルブに恐ろしいほどのカーボンが堆積しています。
最近の直噴エンジンのクルマは、車種を問わずこうなりがちです。
構造上、仕方がないことですが、防ぐ方法はRECSとかインテーククリーニングですね。
これもきれいに洗浄処置をします。
あとは順番に組み付けて、テスト走行をして無事納車。
正直なお話しで、こういう作業の費用は、”笑う”金額です。
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