BMW M635CSi
Y様のBMW635CSiがメンテナンスでご入庫でした。
ご来店時に様々な症状をお話しされていました。
かいつまんで、
・高速走行時にブレーキを踏むとエンジンとミッションに激しい振動が出て、シフトノブもガタガタ揺れる
・渋滞時にクラッチペダルの戻りが悪くなる
・冷間時のステアリング操作でガタがある
など、その他も関連する内容が盛りだくさん。
チェック項目とメンテナンスがイロイロですので、写真撮影順に書きます。
したがいまして、話しが前後します。
冷間時のステアリング操作につきましては、激しいパワステフルード漏れがありまして、ほとんどフルードが入っていません。
冷間時は、ポンプがエア噛みしています。
暖まるとフルードが膨張してエア噛み解消となるために普通の操作ができています。
ステアリングギアボックスも激しいフルード漏れ。
トランスミッションもそこそこのオイル漏れ。
マフラーマウントがちょん切れて、エンジン回転が上がるとマフラーが暴れています。
フロントロアアームは、ボールジョイントブーツが裂けています。
交換して間もないそうです。
デフオイルがシールからにじみ出していますが、今回の症状とは無関係。
ブレーキフルードもマスターシリンダーから漏れています。
交換して間もないそうです。
ブレーキフルードリザーブタンクのグロメットもそろそろ交換時期。
ロアアームはブッシュが裂けています。
走行安定性に問題がありますので、ブッシュ交換。
本当はアームもボールジョイントのガタが出始めているので交換したいところですが、アーム交換をして間もないとの事ですので今回は見送りました。
ブーツが裂けているのもそうですが、アームを手で下側に下げるとボールジョイントがコトコトと言います。
プルストラットもブッシュに亀裂が発生しています。
こちらも走行安定性に影響しますのでブッシュ交換。
クラッチペダルの戻りは、マスターシリンダーとレリーズシリンダーが良い加減でシール不良になっていましたが、テンションスプリングのブラケットが破損して、ペダル位置がズレていました。
クラッチレリーズの交換。
加減ができなくなっているステアリングアキュームレーターを交換。
構造上、ブレーキにも影響があります。
激しく漏れていたパワステフルードの高圧ホースを交換。
また話しが飛びます。
エンジン上部からのオイル漏れを修理。
デスビカバーのOリング劣化でエンジンオイル漏れ修理。
話しが戻って、ちょん切れたマフラーマウントを交換。
これもマフラーマウント。
劣化でユルユルです。
話が飛んで、ファンベルト等を一式交換。
劣化しすぎてコマが欠けています。
この状態でベルト交換時期です。
ステアリングギアボックスは、分解してオーバーホールしました。
またまた話しが飛びます。
エンジンオイル漏れはエンジン上部だけでは無く、下部からも。。。
エンジンオイルのデリバリーパイプから漏れていました。
何かの修理で無理矢理突っ込んだと思います。
パイプが変形していました。
変形してオイルが漏れるので、シール剤が山盛りで塗られていました。
話しが飛びます。
エンジンとミッションの振動の原因の一つ、エンジンオイル漏れでエンジンマウントがブヨブヨにふやけてコンニャク状態。
ステアリングギアボックスオーバーホール時にわかったこと。。。
サブフレームにギアボックスを装着するブラケットが破損していました。
この部分が破損しています。
細かい位置関係もありますので、近所の鉄工所で溶接を依頼。
こういう事はプロに任せるのが最適。
サンダーでバリを取って水平にします。
仕上げに錆止め塗装。
話しを前後させて、ミッションオイル漏れの補修。
原因はこの部品。
ミッション裏側のオイル流路のカバー。
ガスケット単体で部品が出ないため、部品を交換となりました。
ミッションオイル漏れで、マウントが溶け始めています。
溶けて変形している状態。
ミッションオイルも同時に交換。
さてさて、写真があるのはここまでで、その他の関連作業が相当あります。
意外と部品が流通していますね。
ホースで絶版となっていたモノがありましたが、何とか複製をしたりして修理することができました。
作業終了後、お客様のご依頼事項が解消されている事を確認。
無事に納車となりました。
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