エンジンの調子が悪いと言うことでお預かり点検となりましたO様のBMW320i(E90)。
セオリー通りにまずは症状の確認から。
冷間始動時にグズつきます。
そして、少しの間だけバタバタとアイドリングが不調で、暖まると直ります。
暖まると、全く症状は出ません。
一晩明けてエンジン始動すると、再びグズります。
で、暖まると全く症状は消えてしまいます。
これは、1日に1回しか症状を見ながら診断できないパターン。
しかも20秒くらいしか不調になりません。
ボーっとしていても進みませんので診断機で見てみると、2番と3番のシリンダーでミスファイア。
上記事象の確認作業をしますが、定番の悪いところは無いですね。
スパークプラグを各気筒を比較して観察すると、エラーの通りに2番と3番は少し湿り気味。
イグニッションコイルの状態は問題なし。
あと考えられるのがインジェクター。ノズルの後ダレなんていうケースも考えたりしましたが、これも問題なし。
そういえば、O様が初めてご来店された時は、冷却水漏れの修理でした。
エンジン後部のキャップからの漏れが著しく、キャップを交換して完了という記録を見ながら冷却水の量をチェックしてみました。
そうしたら、冷却水が減っていますね。
もしかしたらなんて思いながら、次の診断ステップへ。
ラジエターサブタンクの上に、こんな物をセッティングします。
よーく見てください。
上側は青色ですね。
この状態でアイドリングをし続けて、水温の上昇を待ちます。
水温が上昇してサーモスタットが開いた瞬間に、青色がだんだん黄色に変化し始めます。
どうやら、想像は当たりの様です。
エンジンのヘッドガスケットが抜けて、シリンダーと冷却水の水路がつながってしまっています。
まだ軽度の状態ですので一気に冷却水が減ったりすることはありせん。
ただし、良くなることはありません。
そういう事に反応する薬品を使用したチェック方法なんですよ。
O様はこの車両を購入されてまだ1年に満たない状態ですので、当然修理を選択されました。
でも、修理をするのと中古エンジンに載せ替えで、あまり金額に差が無さそうな感じですね。
状態が良い中古エンジンを現在は探し中です。
なんでこんなトラブルが起きるか、水と油脂類の管理が一因でもあります。
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