暗電流
ずいぶん前から作業していましたM様のALPINA B10は、どうにかイロイロが解決して納車の運びとなりました。
というのも、最初の入庫は12ヶ月点検とBSPとメンテモロモロだったのですが。。。
ご来店時に問診しましたところ、「1週間くらい乗らないことがあるとバッテリーが上がっている」という部分が気になった程度で、その他は特に自覚症状は無い様子。
作業の方は以下の様に順調に進みました。
コントロールユニット診断では、エンジンコントロールユニットにサーモスタットのエラーが入力されていました。
お話しを伺いますと、半年くらい前に他店でサーモスタットを交換済みとのこと。
もしかしたらその際にエラー消去をし忘れているなどが考えられますね。
BOSCHのアナライザーFSAで様々なデータを吸い出すと、ラムダセンサーの機能が低下していました。
この年代のクルマは、ラムダセンサーの機能は10秒間に何回の振幅があるかで判断します。
5回を下回っていましたのでそろそろ交換時期ですね。
同時に、~バッテリーが上がっている~の件で暗電流測定も実施。
暗電流というのは、クルマを止めてロックした後でも、規定量よりも多くの電気を消費してしまう症状です。
電気消費量は、0.05A以下であれば問題はありません。
何が電気を使うかといいますと、時計やオーディオのメモリーだったり、セキュリティー装置だったり。
測定結果は0.01A以下で、問題は無いレベル。バッテリー補充電をしました。
アライメント測定と調整も。
WAKO’S RECSをご依頼頂き。
Injector Flushやインテーククリーニングも。
BILSTEIN R-2000 スラッジクリーン(ビルフラ)もご依頼です。
そしてロボコンも。
ひととおりの作業後に納車だったのですが、納車当日にワタクシはノッピキならぬ用事があって外出していて、診断結果の細かいご説明ができない状態でした。
というのは言い訳です。
それから3週間後、M様からのご連絡。
エンジン警告灯が点灯し、バッテリーが上がってしまうと・・・
で、即再入庫。
まずはエンジンの警告灯から。
こちらの原因はBSPの結果にも出ていましたラムダセンサー。
機能低下が見られましたが、納車後にしばらくして機能不全。
納車当日にお話ができたらと悔やまれます。
次に、バッテリーが上がってしまうというのがナカナカのクセモノでした。
作業の流れとしましては、
バッテリー満充電→全体の暗電流測定→バッテリー満充電→各電装品を一つずつ暗電流測定→バッテリー満充電→各電装品を一つずつ暗電流測定→バッテリー満充電→各電装品を一つずつ暗電流測定→バッテリー満充電→各電装品を一つずつ暗電流測定~~~~~を繰り返していきます。
何個くらいの電装品を測定するかというと、最大でヒューズの数だけです。
ALPINA B10は、80個くらいヒューズがあますので、最大で約80個。
一番最初に点検した部分が当たりであれば、1日で暗電流診断が終了。
50番目の電装品であれば約50日後となってしまいます。
実際にはもう少し絞り込んでの測定ではあります。
BOSCHのFSAは、最大24時間連続測定ができて、しかもグラフの保存ができますのでどのタイミングで暗電流が出るかが分かります。
でもですね、こういう時に限って暗電流が全く無い事もある訳ですね。
お盆の期間も挟んでやってましたが、実際にお盆中はバッテリーが上がらない状態だったり。。。
まあ、なんとか解決の糸口は見えてきて。
電動ファンが犯人だと結論が出ました。
これは古い電動ファン。
そしてこちらが新しいファン。
交換して、暗電流は0.02Aまで下がり、バッテリーのトラブルは解決となりました。
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