BMW E46 ウィンカーが動いたまま

今回のケースは、ホントにごくごく希な、でも絶対無いとは言えないトラブル。
どちらか片方のウィンカーが点滅したまま、すなわち片方にしか曲がる合図ができなくなってしまいます。 当店でも、かなりの数のE46を販売し、またメンテナンスで見させて頂いておりますが、そう滅多にあるトラブルではありません。
この車両は、ウィンカーが右に点滅したままになってしまいました。 お近くにお住まいのお客様なのですが、遠い近いに関わらず事故を起こす可能性が非常に高くなりますので、当然自走は難しく、かつ確実に車両のお引き取りに伺うことになる少々やっかいなトラブルです。 右にしかウィンカーが点滅しない、ということは左折の合図ができず、延々と右折をするしか方法が無くなってしまいます。左折方向に進行する為には、右折を3回繰り返せば同じ方向に行けますよとは、口が裂けても言えない・・・

鍵を差し込まずに、停車した状態では普通のウィンカーですが。

鍵を差し込み、イグニッションをONにするとウィンカーの点滅が始まります。 左折方向にウインカーを動かしても、右しか点滅しません。

ウィンカーレバーに障害がある訳でして、ステアリングから順番に取り外していきます。

ステアリングを取り外す場合、エアバッグをまずはずす必要があります。 ステアリングの裏側から、このようなドライバー(トルクスドライバー)を差し込みます。

ここに穴が開いていて、ドライバーを差し込みます。 左右2ヶ所あります。

そしてエアバッグを取り外します。
ステアリングとカプラーで配線が接続されていますので、軟弱なカプラーを壊さないようにはずします。

こんな感じになります。
もちろんエアバッグの警告灯が点灯しますので、作業終了時には診断機でリセットします。

ステアリングは、相当のトルクで締め付けられています。

ボルトを緩めたら、あとは手ではずします。

こんな感じです。

ステアリングの位置がずれないように、 きちんとスプラインに切り込みが入ています。
昔のクルマはマーキングしないとずれてましたね。

ステアリングをはずした状態。

カバー上下の隙間に、マイナスドライバーをそっと入れます。

ゆっくりとドライバーを回すと、カバーが分割します。

左右で同じようにやります。

もう少しで、ウィンカーレバーを取り外せます。
結構ほこりがたまりますね。
ウチの冷蔵庫の裏ほどじゃないですけど。
組み付け時にきれいに掃除をします。

トルクスボルトをはずし、コラムスイッチを丸ごと取り外します。

ウィンカーレバーだけを取り外します。

取り外した状態。

ウィンカーレバーを分解します。 本来は分解できないように、特殊なネジでとめられています。

トラブルの原因は、スイッチの中の黄金に輝く基盤が原因です。
基盤の上をスイッチが左右方向に応じてスライドする仕組みになっていまし、使用頻度により基盤の黄金が削れて、常時接触した状態になってしまいます。 相当柔らかく、多分純金を使用しているのではないかと思います。
この黄金部分をきれいに掃除し、接触した状態の部分を針で研磨して修理完了です。 あとは各部を掃除しながら組み付ける作業のみ、メインの作業は簡単ながら、色々と手間がかかる修理です。 基盤がボロボロになっていなければ、修理で直ります。

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