アルファロメオ147 バルブクラッシュ

今回のメンテナンスは、予防できるのに甘く見た結果、痛い出費となったアルファロメオ147ツインスパークのバルブクラッシュ。
要は、タイミングベルトの交換時期を無視した為に、ベルトがコマ飛びをしてバルブとピストンが当たってしまいました。

このお客様には、数度にわたってタイミングベルト一式の交換をやんわりとお勧めしていたのですが、一般道を走行中にいきなりエンジンストールし、その後はエンジン不動となって引取に出張しました。

アルファロメオのタイミングベルト交換時期は、V6エンジンで3万キロ前後、4気筒は4万キロ前後ですゾ。
点検しての、ベルトの交換時期を判断するということは、ハッキリ言ってわかりにくいデス。

走行距離は一応の目安で、アツい走りをする人や毎日渋滞にはまる人は、もっと交換時期が短くなります。ご注意を。

写真を撮ることを忘れていましたので、途中からの解説となります。 エンジンカバー等々、色々と外しています。 イグニッションコイルとスパークプラグも外し終えています

タペットカバーを外して、カムシャフトを露出。 既に、タイミングベルトは外されています。 原因は、テンショナーのベアリング破損でした。 すみません、写真は撮っていません。

ヘッドを外して、ピストンが見えてきました。 皆さんのクルマも、ピストンや燃焼室はこんな感じです。 ピストンヘッドも含めて、後でキレイにします。

ピストンヘッドの写真上下に切り欠きがあります。 リセスといいます。 ピストンが上死点に来た時に、バルブと当たらないように切られています。 下側を見ると、リセスが削れている様子がわかると思います。 これがバルブクラッシュの跡です。

外したヘッドのバルブ側を見てみると、全てのバルブがピストンと当たっています。 この状態は、カムシャフトを外してあるので、通常は全てのバルブが閉まって いるのが普通です。

角度を変えて見てみます。

白っぽい方が排気側のバルブです。 上側の色が変わっている部分が、ピストンと当たった跡です。 黒っぽい方が吸気側のバルブです。 やはり色が変わっている部分があり、そこがピストンに当たった場所です。

バルブが曲がっている為に、バルブガイドに干渉して閉じることができません。 ピストンは、バルブとのわずかなクリアランスで動きますので、バルブが少し浮いているだけで運動できなくなってしまいます。 この状態でセルモーターを回しても、ピストンがバルブに当たって動くことができません。

INマニは、途中の作業でキレイにします。

ヘッド一式の分解完了。 左側が排気一式。 右側が吸気一式。

ヘッドをキレイに研磨します。

新品のバルブをヘッドに組み付けます。 組む前に、バルブがシートとなじむ様に、タコ棒で摺り合わせをします。

バルブをヘッドに組み付けました。 この後の作業は、急を要する為に撮影していません。 全てを完了させるまでに部品のオーダーを含めて4日程度で済みました。 修復可能な修理ですが、金額的にはちょっと痛いので、なるべく早めに手を入れた方が賢明なメンテナンスです。

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